地勢

ジョージアの最高峰シュハラ山がある大コーカサス山脈はロシアとの国境沿い、それと並行する形でアルメニア側を東西に走る小コーカサス山脈を中心に複雑な地形となっています。西の黒海沿岸は平地であるものの、国土の約80%が山岳地帯となっており、中部のリヒ山脈でジョージアは東西に分けられます。
西部には黒海へと注ぐリオニ川、東部はカスピ海へと注ぐクラ(ムトゥクヴァリ)川が流れています。

気候

標高5,000mを超える大コーカサス山脈が北からの寒気を遮断する為、国土の大半は比較的温暖ですが、山地が多く複雑な地形が、地域によって異なる多様な気候を生み出しています。
西部は黒海から温かく湿った空気が流れ込む為、降水量が多く湿潤な亜熱帯性気候になります。一方で、内陸となる東部は乾燥し、夏冬の寒暖差が大きい大陸性気候となります。山岳地帯は多雨で、冬の積雪は2mに達します。

ワイン発祥の地

ジョージアのワインに関連する歴史は、紀元前6,000年~5,000年の新石器時代まで遡ります。これまで国内で発掘された遺跡からは、その頃のワイン用の土器の破片や破片に残っていた酒石酸、ブドウの種子の化石等が発見されています。これらの出土品により、この時代にジョージアではブドウ栽培及びワイン造りが行われていた事が科学的に証明され、8,000年に及ぶ長いワイン造りの歴史がある事が明らかになりました。
ジョージア国立博物館には、紀元前6,000年頃のものと推測される土器が展示されており、これは世界最古のワイン用の容器でクヴェヴリの原型と推定されています。
また、ヴィティス・ヴィニフェラの原種とされる野生種のヴィティス・シルヴェストリス(Vitis silvestris)は、現在も国中で見かけられ、遺跡から発見された種子は栽培種のヴィティス・ヴィニフェラ・サティヴァ(Vitis viniifera sativa)と同じとされています。

ジョージア語におけるワインとブドウ

多くの言語学者は、ジョージア語でワインを意味する「Ghvino」(グヴィノ)が「Vino」「Vin」「Wine」に変化していったとしています。また、独特の形が印象的なジョージア文字は、ブドウの丸まったツルをモデルにしたとする説があり、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。